子ども建築塾 2025 年度 後期第1回「路地のまち」まち見学

2025年11月18日

10月25日、いよいよ後期の課題がスタートしました。
前期はひとり一つの「いえ」をつくりましたが、後期はグループで「まち」をつくっていきます。今回のテーマは「路地のまち」です。

路地には独特の魅力があります。
歩く人をふっと惹き込む工夫が随所にあり、狭い道だからこそ生まれる気遣いや温かみを感じられます。今回は、実際に谷中を歩きながら、その魅力を全身で体感しました。あいにくの寒さでしたが、子どもたちは元気いっぱいに集合。授業は次の流れで進みました。

【授業の流れ】
・太田先生からのレクチャー
・グループごとのまち歩き
・MARU。architecture のアトリエで高野洋平さんからレクチャー
・cafe & bar 花重 谷中茶屋の見学

■ 太田先生レクチャー
はじめに、太田先生によるまち歩きのポイントレクチャーがありました。
世界600都市を巡ってきた“まち歩きのプロ”ならではの視点を、子どもたちへ伝授してくださいました。

よく観察すること
思いついたことを周りの人に話してみること

観察して気づいたことを言葉にして共有すると、お互いに新しい発見が生まれるそうです。
その言葉を胸に、子どもたちは新しいグループの仲間やTAと会話をしながら、まち歩きがスタートしました。

住宅の周りにある植栽を観察したり、商店の2階から見下ろす景色を眺めたり、店構えの小さな工夫を見つけたりと、それぞれが自分の視点でたくさんの発見をしていました。

「このお店、入ってみたくなるね」「このあたりは植物がたくさんあっていいね」など、見つけたものを仲間に伝える姿もとても楽しそうでした。谷中ならではの路地のスケール感も存分に味わえたと思います。

■ MARU。architecture アトリエ見学
次に訪れたのは MARU。architectureのアトリエです。
建築家の高野洋平さんが、谷中という土地と建築の関わりについて丁寧にお話してくださいました。

「ここは建築の設計事務所です。ここがお仕事をするスペースなんですけど、道に対して大きくひらいているのが特徴になっています。まちを感じながら働くとか、まちの人が通り抜けていくときにまちの人が気にして見てくださるという関係があります。恵比寿スタジオもこんな感じで開いていますね。」

模型がずらりと並ぶ空間に、子どもたちは目を輝かせていました。
まちにひらいた空間を体感しながらたくさん写真を撮っていました。

■ cafe & bar 花重 谷中茶屋 の模型
続いて、MARU。architectureが手がけたcafe & bar 花重 谷中茶屋の模型も見せていただきました。

「道路から奥に入ると細い路地があり、その先に庭が広がっています。古い建物の先に、森のような空間があるんです。」

細部までつくり込まれた模型を、子どもたちは夢中で写真に収めていました。模型の材料やつくり方にも興味津々でしたね。

■ TAとして感じたこと
路地の魅力は、とても繊細なところに宿っているように思います。
何も意識せず歩けば通り過ぎてしまうような小さなことでも、暮らしている人の気配を想像しながら観察すると、ふっと生活の豊かさが浮かび上がってきます。

子どもたちがどんなふうに谷中の路地を感じたのか、TAとしてとても興味がありましたが、実際には驚くほど丁寧に観察し、路地ならではの奥行きをしっかりと捉えていました。

今日体験した“谷中のスケール感”をよく覚えておきながら、これからのアイデアづくりや模型制作に活かしてくれると、きっと豊かな提案につながります。

ぜひ、今日体験した谷中の見学をスケッチや言葉で書き残しておきましょうね。

■ 次回はグループワーク
路地で見つけたことをグループで共有しながら、まちのアイデアを広げていきます。どんな「路地のまち」が生まれるのか、今からとても楽しみです。

TA 東野 葉月