「釜石商店街のみんなの家」現場レポート vol.10

2012年06月02日

こんにちは。伊東豊雄建築設計事務所の高池さんからの現場レポートを元に
「釜石商店街のみんなの家」の現場の様子をお知らせします。

昨日まででコンクリートブロック積が終わりました。
写真は週の前半のものでまだ途中なのですが,次回号では積み上がった写真をお届けします。
 
 
 
本日から大工さんが入り,内装工事が始まりました。
内装工事が終わると,塗装工事に入ります。
 
 
 
さて,時間がさかのぼりますが,28日に伊東が現場視察に来て,現場で以下のような内容を打合せました。
 
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・鉄部の色/木部の色 
・室内壁仕上げの確認
 
・カーテンサンプル確認
 
・ピアノとテレビの配置決め
 
・電気引き込み位置の確認
 
・手作り家具の確認(場所:市営ビル)
 
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●鉄部の色/木部の色 
 
木部の色について,現場の方に白,グレー,オリーブ,イエローの4種類の色サンプルを用意していただきました。
この中から,木の色を感じさせて明るい色ということで,イエローに決定しました。
 
 
鉄部の色は,外観のコンクリートブロックに対して少し際立つ色ということで,ダークグレーとなりました。
 
●手作り家具の確認
 
市営ビルにて,皆さんの力作である家具を見て,とてもきれいにできていると伊東も感心しておりました。
ボランティアの皆さん,本当にお疲れ様でした!
 
 
●使われ方ミーティング
 
現場確認の後,釜石のNPO法人@リアスサポートセンターの鹿野さん,横澤さん,
復興ディレクターの小野田泰明先生(東北大学)、遠藤先生(工学院大学)、
釜石市役所の川崎さん,伊東,伊東事務所のメンバーで,みんなの家ができた後の使われ方についてに話しました。
 
 
市役所の外のまちの人たちの動きを含めて,ここに行けば,釜石の復興の全貌が
わかるような場所としての「まちづくりカフェ」,こどもたちのまちづくり教室,
コミュニティシネマ,プ レゼン・バー,などいろいろなアイディアが出ました。
 
こうした活動が別の地域につくられた「みんなの家」の活動ともリンクして,
被災地の復興ネットワークがつくれれば素敵だという話も出ました。
 
まずは近くを通った人がふらっとお茶を飲みに入ってくるような
気軽な居場所にしたいという話もあがりました。
 
 
本当に小さな空間ですが,ここをきっかけとしていろいろな物語が生まれてくるような,
可能性をつくっていきたいと思います。