しまなみ海道 現地打ち合わせ
9月15日~16日に愛媛県今治市にある大三島・大島にて進行中のプロジェクトの現地打ち合わせを行いました。
1件目は、大三島の宮浦という地域でレストランを営んでいるよし川というお店の改修計画に関する打ち合わせです。このプロジェクトでは、店舗の一部を改修して、地域住民やサイクリストが気軽に足を運べるような場所を計画しています。この日は前回の打ち合わせで決まった「入口付近に半外部空間をつくる」という方向性にそって話し合い、塾生が考えてきた各案を、よし川のご主人に説明していきました。その中には、店舗の隣にある広い駐車場の一部を使い、半外部空間や庭をつくることで、移動カフェを招いたり、イベントを行うという提案があり、よし川のご主人も気に入ってくださっていたようでした。
店内に関しては、壁の塗装や家具づくりなど、できることは自分たちでやろうという方針になりました。塾生やよし川のみなさん、更には地域住民の方々と一緒にワークショップ形式で家具づくりを行うことになりました。実際にワークショップを行うのはもう少し先になりそうですが、今から楽しみです。今後は駐車場を含めた範囲で計画し、更に設計案を発展させていこうと思います。
この日は大三島に1泊し、翌日の午前中から大三島の2つ隣の島である大島という島の宮窪という地域で、NPO能島の里を発展させる会のみなさんと打ち合わせを行いました。ここでは、宮窪でとれる大島石という御影石を使って、地元の人、観光客が共に集まれる場所をいくつかの段階に分けて計画しています。その第1段階として、屋根の下でお茶が飲める喫茶店をつくります。この日の打ち合わせでは、スケッチと模型を使って説明をしながら、将来的な全体構想について提案しました。
道路を挟んだ北側に、大島でとれる魚や野菜を売る市場や喫茶店をつくり、南側には建物を立てずに、大島石の家具を使って、人が座って休憩したり、イベントができる広場をつくることを考えました。また、北側と南側の敷地を周遊できる石の遊歩道をつくり、道路で分断された敷地を一体的に計画しました。
この提案をもとに話し合い、様々な意見を頂いたことで、発展させていく点と改善しなければいけない点が見えてきました。また、この場所で使われる家具を、大島石を使ってワークショップ形式で一緒につくってはどうかと提案したところ、まずは素材について知るところからはじめることになり、第1回目は10月下旬に勉強会と石の加工体験を行う予定です。
そして最後の打ち合わせは大三島に戻り、大三島分校の生徒さんと先生とで打ち合わせを行いました。このプロジェクトでは大三島分校の生徒さんと一緒に、衰退しつつある宮浦港から大山祇神社までの参道を保存していく活動を行っています。その活動の一環として、今年の大三島分校の文化祭に参加し、プロジェクトに関する展示を行うことになり、今回はその展示内容について話し合いました。
塾生が考えてきた展示の企画案をベースに、展示内容を話し合いました。その結果、昭和35年頃の参道の様子がわかる模型と、当時の参道沿いにあったお店の位置関係がわかるイラストマップを作成することに決まりました。今後、展示する模型や地図を生徒さんと一緒につくっていく予定です。文化祭までは残された時間も少なく、ややハードスケジュールになりそうですが、参道を守っていく活動を島のみなさまに見ていただけるせっかくの機会なので、生徒さんと一緒に頑張っていこうとおもいます。
大三島分校の文化祭は、11月10日(日)に大三島分校にて開催されます。島内にお住まいの方はもちろん、島外にお住まいの方も、お時間がございましたらぜひいらしてください。
それぞれのプロジェクトが段々と本格化し、具体的な活動となってきました。今後も定期的に活動の進捗状況をブログにてお伝えしていきたいと思います。
長塚 幸助