大島「石文化体験ツアー」に参加しました
10月26日、大島(愛媛県今治市)の宮窪という地域で進行中の「石のカフェ」プロジェクトの一環で、地元産の大島石についてもっとよく知るため、地元で活動するNPO能島の里を発展させる会のみなさんにご案内いただき、石文化体験ツアーに参加してきました。
この日は午前中から1日お時間を割いていただき、大島石について教えていただいたり、実際に石割りや加工の体験をさせていただきました。
11時ごろに大島に到着し、初めに遠見茶屋にて、大島石の特徴や他の石との違いについて教えていただきました。
お昼ご飯の時間には、能島の里を発展させる会のみなさんがご準備して下さった「石花汁」を頂きました。石花汁とは宮窪の郷土料理として昔から親しまれているもので、石切り現場の作業員たちが寒い冬場の山で鍋を炊き、汁が冷めないように鍋の中に焼いた石を入れたのが始まりだそうです。季節の野菜が沢山入っていて、とてもおいしかったです。
午後からは、採石場を案内していただきました。
圧倒的なスケールの採石場には、塾生一同驚かされました。一方で、石を切り出す過程でたくさんの石が廃石として処分されてしまうことも教えていただきました。廃石とはいえ、十分に使える素材です。能島の里を発展させる会では、これらの廃石を有効活用する術を探しているとのこと。伊東建築塾も「石のカフェ」をつくる際は、うまく廃石を利用できる方法を考えたいと思います。
次に、切り出した石を加工する場所を見学させていただきました。
切ったり、削ったりすることで、石は様々な表情に変化します。その事例として、灯篭や線香立て、石彫などを見せていただきました。
その後は、いよいよ実際に石を加工する体験をさせていただきました。
まずお手本を見せていただき、石を切る体験をしました。塾生にとっては石を切ることなどもちろん初めてなので、慎重に取り組みながらも、楽しんでいる様子でした。また、石の塊に杭を打ち込み、石を割る体験もさせていただきました。
この日の夜は、バーベキューの準備をしていただき、とてもきれいな星空の下、おいしいご飯やお肉をたくさんいただきました。食事をしながら、能島の里を発展させる会のみなさんからは大島石やまちづくりへの思いを、たくさん聞くことができました。
今回の体験ツアーに参加させていただいたことで、大島石を山から切り出し、加工する過程を間近で拝見し、加工の難しさを体験したことで、大島石をデザインに盛り込む方法を改めて考えさせられる良い機会となりました。同時に、今回のプロジェクトに大島石を使うことの重要さも、改めて感じることができました。
このような機会をつくってくださった能島の里を発展させる会のみなさんには、心より感謝申し上げます。今後もこのプロジェクトが良いものになるよう、より一層頑張っていきます。
長塚 幸助