子ども建築塾 後期6回「川越まち探検」
みなさま、こんにちは。
昭和女子大学 環境デザイン学科4年 鈴木ますみです。
2013年1月12日、「川越まち探検」が行われました。今回は、グループごとに川越駅からクレアモールや大正浪漫夢通り、蔵造りの町並み、ヤオコー川越美術館へ歩いて探検をしました。私が一緒に探検したDグループの様子をご紹介します。
蔵造りの街並みへ
はじめに川越駅で塾生たちと新年の挨拶をし、探検へ出発しました。
たくさんの人で賑わうクレアモールには神社、芋菓子屋、和紙屋などがあり、さらに進むと山車の倉庫もありました。自宅の周辺にある商店街と、川越の商店街をくらべて、似ているようで違うところを発見しながら歩いていきました。
そして大正浪漫通りへ近づくにつれて、歴史を感じる建物がだんだん増えていきました。火災を広げず町を守るためにつけられていた「うだつ」をTA(ティーチング アシスタント)の学生から教えてもらい、新しい建物との違いを知りました。
「だんだんタイムスリップしていくみたい」と話しながら歩き続けると、蔵造りの街並みへ到着しました。蔵造りの街並みでは「時の鐘」、「蔵造り資料館」、「菓子屋横丁」を見学しました。
かつてこの町に時を知らせていた「時の鐘」に残念ながら登ることはできませんでしたが、下から覗いて写真を撮ったり、遠くから全体を見たりしました。それぞれ工夫して「どんな形なのか」「どれぐらいの大きさなのか」を調べていました。
「蔵造り資料館」では、遠くからでは分からなかった屋根の中を見ました。蔵造りの中に実際に入って、とても狭い階段の幅を自分の足で測っている姿が印象的でした。だんだん建物を調べることに慣れてきて、上手になったと感じました。
ヤオコー川越美術館
川越まち探検の最後は、塾生みんなでヤオコー川越美術館にて伊東先生や、伊東豊雄建築設計事務所の井上さんからお話を伺いました。蔵造りの街並みから20分ほど歩き、橋を渡ると住宅と神社に囲まれたヤオコー美術館がありました。蔵造りの雰囲気とは違った美しい美術館でした。
どのようにして美術館を利用してもらいたいか、どんな美術館だったら周りの風景や建物と共存できるのかなど、設計する時にどんなことを考えたのか説明してくださいました。美術館の周りの緑のスペースにも役割があることを教えていただきました。色々な種類の植物が植えられており、これから美術館がどのように成長していくのか楽しみです。
展示室2では、絵をよりきれいに楽しむための光の工夫を、実際に照明を下へ降ろして説明してくださいました。普段は見られない光の秘密に子どもたちは興味津々でした。どんな素材でできているのか、また照明はどのような仕組みになっているのかなど、細かく子どもたちがチェックしていました。藤江和子さんがデザインされた青い大きなソファーに寝そべって絵を見てみたり、照明を見上げてみたりと、独自の見学方法をあみだしている子もいました。多種多様な視点や体感方法を楽しんで、ヤオコー川越美術館を見学していました。子どもならではの視点がとても新鮮に感じられました。
川越まち探検を終えて
子どもたちは、どんどん「まち探検」が上達してきているように感じます。発見した建物の大きさがどのくらいなのか自分の身体を使って測り、どんな素材なのか触ってみたり、耳をあてて体感しています。また写真を撮るだけではなく、自分なりに建築を知る方法を身につけているようです。ヤオコー美術館では内部や外部、道路を挟んだ反対側から見たり、美術館の裏の日陰になっている所はどのようになっているのか一周歩いてみたり、独自のさまざまな角度から見学していました。色々な発見ができるようになった子どもたちからますますたくさんのアイディアが出てくるような気がします。
今回の発見を残り少ない授業で、活かしてください。次回の授業が楽しみです。