子ども建築塾 後期7回「模型づくりに挑戦!①」

2013年02月04日

みなさま、こんにちは。東京大学大学院 村松研究室 修士1年の神谷彬大です。

1月26日、子ども建築塾後期第7回目の授業が行われました。今回はいよいよ、「まちの建築」の模型づくりに入ります。

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図面を描いて考える

「まちの建築」を模型にする前に、まずはそれぞれの敷地が描かれた紙の上にトレーシングペーパーを敷いて、どのくらいの大きさの模型をつくるのか考えながら、図面を描きました。自分のイメージしてきたものを実際の敷地のスケールに合わせて考えることで、案をもう一度整理し、その案を伝えるために最も適切な模型の縮尺を検討します。

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図面は、上手く模型をつくるためには欠かせない「設計図」となりますし、実際に自分のイメージをより現実的に考えたり、自分の案のポイントを人に伝えたりするためにも使われます。でも、今まで頭の中で考えてきたイメージを図面に描き起こすのは、なかなか難しいことのようです。これまでもスケッチはたくさん描いてきましたが、実際に敷地に合わせて大きさを考えて描くと、思っていたよりも狭かったり、考えていなかった空間ができてしまったり。
それに加えて、後期から入塾した子は、図面を描くのも模型をつくるのも初めて。TAの学生の指導を受けながら、少しずつ進めていきました。

模型をつくりながら考える

さて、次はいよいよ模型をつくりはじめます!
材料選びから始まり、慣れないカッターの扱いに苦戦したりしながらも、みんな驚くほど集中して取り組んでいました。
こつこつと作っていく子もいれば、なかなか模型のイメージがわかなかった子が、最後の数分間で一気に全体像を見せたりと、それぞれの進め方で徐々に自分の建築がかたちを見せ始めました。

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実際に模型をつくり出すと、図面では気付かなかったいろいろな矛盾や、うまくいかないことも出てきたようです。時間が限られているため、ついこれが完成版だと思ってつくりはじめてしまいがちですが、そうすると逆になかなか進まないこともあります。お家でゆっくりと手直しをしてもいいので、まずは手を動かしてつくってみることが大切だと思います。細かいところは後から直せるし、全体をつくり直しても良いのです。

以前、渋谷のまち探検の時に伊東先生の事務所に行きましたが、事務所にはとてもたくさんの同じような模型があったと思います。つくりながら考えるつもりで、どんどん模型をつくっていってほしいと思います。

一番おもしろいポイントを伝えよう

図面を描くことや、模型づくりで大切なのは、その建築の一番のポイントを、見る人に伝えることです。そのためには、例えば模型であれば、本当は普通の壁だけど透明にして中を見せたり、実際とは違う色が塗ってあったりしても構わないのです。
もちろんその図面を描く目的やその模型をつくる目的にもよりますが、何をどこまで描くか・模型で表現するか、というのは、大学生や建築家にとっても難しく、かつ大切なところです。

また、見ていると模型をつくる方が得意な子、図面の方が得意な子、もちろんどちらも大好き、という子もいますが、それぞれの得意分野があるようです。プレゼンテーションについて考えるのは次々回になりますが、「模型は少し小さくて目立たないけれど、図面はものすごい」といったように、その子の得意なものを生かして案のポイントを伝えられるプレゼンテーションになれば良いなと思いました。

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次回は、模型の続きをつくります。一番おもしろいポイント、伝えたいポイントはどこか考えながら、どんどんかたちにしていきましょう。

次回もよろしくお願いいたします。