T-KIDS 夏休みワークショップ 「しゅくしゃくわくわく-みんなでつくろう夜のまちなみ」

2018年11月08日

2018年8月11日に開催したT-KIDS夏休みワークショップ「しゅくしゃくわくわく-みんなでつくろう夜のまちなみ」についてお伝えします。

「しゅくしゃくわくわく」とはスペインの建築情報雑誌「Amag!」より提案を受け、A4用紙を印刷すれば誰でも遊ぶことのできるゲームを子ども建築塾のTAが主体となり考案したゲームです。今年の3月には恵比寿スタジオでもワークショップを行いました。
今回は、子ども建築塾の講師を務めてくださっているアストリッド・クライン先生が設計した「柏の葉T-SITE」内にある「T-KIDSシェアスクール 柏の葉」にてワークショップを行いました。
講師はゲームを考案してくれたTAと伊東建築塾のスタッフが務めました。通常は外部の建築家をお呼びしてワークショップを行っておりますが、TAが講師として行うワークショップは初めてです。

参加してくれた小学生は総勢19名。内2名は子ども建築塾の塾生が参加してくれました。

どのようなワークショップを行うのかはっきりとわからないのか、教室に入ってきた子は少しそわそわした表情をしております。TAがいつもの子ども塾のように話しかけて場を和ませながらワークショップの開始を待ちました。

「ワークショップ説明」
説明はゲームの考案者の1人、TAの川田くんが行いました。
このゲームのタイトルである「しゅくしゃく(縮尺)って何かわかるかな?」と問いかけます。
子どもに馴染みのない「縮尺」という言葉ですが、6年生の参加者は理解していたようで手を挙げてしっかりと回答してくれました。
低学年の子にもわかるように、アニメーションやクイズを用いて「縮尺」について説明しました。

 

「つくりかた説明」
つくりかたの説明も、TAが作成した動画を見せながら行いました。
写真と言葉で説明するよりも食い入るように見てくれた反応が印象的でした。
まずは動画で見た黒いいえをつくることを伝え、8種類あるパターンから1人3種類選んでもらい制作に取りかかりました。

 

 

「いえをつくろう」
みんな一斉に紙を切り出します。先ほどまでにぎわいのあった教室が、作業に没頭すると急に静かになりました。作業でわからないところがありそうな子にはTAも声をかけて手伝います。
1つ目をつくり終えると、2個目、3個目は慣れたのか作業スピードを上げてつくってくれました。

兄弟で参加してくれる子もいるので、下の子が悩んでいると上の子が教えてあげるなど微笑ましい光景もありました。
時間が余った子は、点景の切り出しをやってもらいました。いろんな絵が描かれた点景にみんな興味深々で、早くつくり終えて点景を切りたいと急ぐ子もいました。中には残り時間も少ないけど、もう一ついえをつくりたいとつくり出す子もいました。

 

「いえを置いてまちをつくろう」
3個ずついえをつくったところで、つくったいえを敷地に置いてみんなでまちをつくります。
用意した敷地はどこかで見覚えがあります。「この敷地はどこでしょう?」とクイズを出すと、何名か正解を答えてくれました。用意した敷地はみんなが今いる「柏の葉T-SITE」の敷地でした。
柏の葉T-SITEにみんなのいえを建てよう!と声をかけると一斉につくったいえと点景を置いてくれました。一通りいえを置いたところでまちが出来上がり、みんなとても嬉しそうでした。

ここでTAより、しゃがんで覗き込むとまちの中の様子がわかるとアドバイスをもらい、みんなしゃがんで覗き込んだ瞬間に「おぉー!」と歓声があがりました。「縮尺」の意図がちゃんと伝わったようで大変嬉しい反応です。

作品はこれで完成ではありません、みんながつくるのは「よるのまちなみ」です。秘密兵器の小型懐中電灯を見せるとさらにテンションが上がりました。

小型懐中電灯をいえの中に入れると、窓がいろいろな色に光りだし、反応の変化を楽しみました。光りを入れたいえをもう一度敷地において、夜のまちなみが完成しました。
最後に教室内を最大限に暗くすると、より光の効果が現れ、また子ども達から歓声があがりました。

授業の終わりに川田くんより、今日のワークショップでみんな「縮尺」について学んだこと、生活の中にも「縮尺」はたくさんあるから意識してほしいことを伝えワークショップは終了しました。

ワークショップが終わってもすぐには教室を離れない子どもたち、つくった作品は持ち帰っても良いことは伝えたのですが、どうやら敷地模型で使ったT-SITEの建物模型と敷地自体も持ち帰りたいとのことでした。敷地模型は流石に大きすぎてしまい、保護者の了解を得られなかったため持ち帰ることができませんでした。名残惜しそうにずっと敷地模型の側を離れない姿には、思い入れを持ってもらえて嬉しい反面、少し可哀想でした。柏の葉T-SITEの建物模型はほしい子に抽選で分けてあげました。建ち並んでいる姿が柏の葉T-SITEの良さなのですが、「分けたらただのいえになっちゃったよー!」と子どもから指摘が入ってしまいました。まさにその通りで、大変反省しましたが、抽選で当たった子は喜んで持ち帰ってくれました。

外部でのワークショップは伊東建築塾のことを知らない子どもたちにも建築に触れてもらえる貴重な機会なので、これからも通常の授業と並行して行っていきたいと思いました。

伊東建築塾 山口絵莉一