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9月15日、2011年に岐阜県郡上市白鳥町石徹白(いとしろ)に移住され、地域内での持続可能なエネルギー生産をはじめとする活動をされている平野彰秀さんをお招きして、公開講座が行われました。
平野さんは、石徹白に移住された後に持続可能な地域の暮らしを目指す一環として「小水力発電」を実現されました。また、2018年2月に公開された映画『おだやかな革命』では、石徹白の服飾文化を生かした洋服づくりをなさっている奥様の馨生里さんと共に、平野さんご夫婦の地域づくりの活動が取り上げられました。
講演では、「自然エネルギーが開く未来」と題して、現在日本中から注目を浴びている平野さんご夫婦の地域づくりの活動内容とその理念について、お話をしてくださいました。
6月23日、今年度第2回目の会員講座に、ReBulding Center JAPANの代表を務めていらっしゃる東野唯史さんをお招きしました。ReBuilding Centerとは、ポートランドにある古材販売のNPOであり、東野さんらはここからインスパイアされ、ポートランドのセンターと交流を持ちつつ、日本における活動を行われているそうです。講演では、「古材のレスキューを通して目指す未来」と題して、ReBuilding Center JAPANで活躍されている皆さんの活動や、大切にされている価値観などについて、お話ししてくださいました。
6月2日、2018年度最初の会員公開講座が開かれ、塾長の伊東豊雄が講演を行いました。伊東塾長が建築をつくる際に大切にしている哲学について、「内なる自然」というキーワードを元に6つに分けてお話ししました。
1.空虚な中心を巡る
伊東塾長にとっての「内なる自然」とは何なのか。その問いの答えに近づくための第一歩として、伊東塾長は、ロラン・バルトの日本論から「東京は空虚な中心を持っている」という部分を引用しました。これは、誰も近づくことのできない皇居を中心として発展している東京のまちを表した言葉です。伊東塾長は、この環境を自身が生まれ育った長野県諏訪湖のほとりにも見出し、諏訪湖周辺について「湖という空虚な中心によって守られている」場所であることを強調されます。そして、伊東塾長のお話は、学生時代の回想へと続きます。冬には、凍った湖面をスケートで突っ切り登校し、冬の湖面すれすれに現れる水平虹に心を奪われていたといいます。小学校時代や中学校時代の先生との思い出話にも花が咲きます。特に、近年まで交流があった中学時代の熱血漢の先生からは、もっとリーダーシップをとり外向的に行動するようにと叱咤激励されていたそうです。伊東塾長は、当時の伊東少年に顕著に見られた「内向性」が「内なる自然」というものに繋がっていたのではないかと分析しています。
次に伊東塾長は、「内と外」という設計思想と自作との関係性について説明しました。その始まりは、事務所開設時にあった内壁面が真っ黒に塗られた倉庫です。伊東塾長はこの箱に、「瞑想の箱」という名前をつけ、倉庫内で「胎内回帰」と称した瞑想を一人で行なっていたそうです。1993年にできた『下諏訪町立諏訪湖博物館』では、水平虹にインスパイアされて、湖からはコンクリートで閉ざされているが、建物の曲線によって「外と内」が「表(人がたまる)と裏(人が通り抜ける)」という関係性を示すような設計を目指しました。この考え方は、伊東塾長の設計思想に常に存在しているそうです。
7月14日、ココ・ファーム・ワイナリーの専務を務める池上知恵子さんを講師に迎え、第3回会員公開講座が行われました。「楽しいワインづくりを目指して」と題して、ワインづくりの工程や魅力についてお話しいただきました。
ワインとは
“VINE”と“WINE”という言葉のお話から始まりました。一文字違いのこの二つの英単語の意味は、VINEが葡萄(の木)、WINEはワインという意味です。つまり、葡萄からできるのがワインなのです。
さて、日本でワインをつくる場合に最低限必要な3つのものをご存知でしょうか。
それは、容器(バケツ)、葡萄、果実酒製造免許です。ワインは、最低限バケツと葡萄があればできるそうです。