2025年5月27日
第6回公開講座 前田尚武さん「アートって何だろう」
2月1日、今年度最後となる公開講座として、京都市京セラ美術館事業企画推進室企画推進ディレクターの前田尚武さんをお招きして、「アートって何だろう」をテーマに講演が行われました。前田さんは、一級建築士の資格を持つ学芸員という稀有な経歴の持ち主で、双方の視点を駆使して数多くの建築展を成功に導いてこられました。また、当塾塾長・伊東とも長年親交があり、現在は、台湾の新北市で「国家児童未来館」というプロジェクトを共同で進めています。

今回の講座は、港区の小学校で前田さんが毎年実施されている図工の授業を基盤としたものになるとのこと。アートの本質とクリエイティブに生きるための具体的な方法について、前田さんご自身の経験を交えながらお話しいただきました。
(more…)2025年5月14日
第5回公開講座 齋藤亜矢さん「人間って何だろう」
12月14日、京都芸術大学文明哲学研究所教授の齋藤亜矢さんをお招きして、本年度第5回目の公開講座が開催されました。齋藤さんは、進化や発達の視点から、芸術する心の起源について研究されています。伊東塾長からは、齋藤さんの著書『ルビンのツボ――芸術する体と心』(岩波書店, 2019年)を読んだ感想として、「非常にわかりやすくかつ本質的なことを書いておられる」「頭で考えるより体で感じて生きる方が面白いというメッセージが私の建築観と共鳴する」との紹介がありました。
今回の講座では、齋藤さんの研究テーマである「芸術する心の科学」という視点から、「人間って何だろう」について考えました。

2025年3月11日
第4回公開講座 西牧厚子さん「住宅って何だろう」
11月16日、『新建築住宅特集』の編集長を務める西牧厚子さんをお招きして、本年度第4回目の公開講座が開催されました。西牧さんは、2011年から2014年まで日本の建築を世界に発信する雑誌『JA』の編集長を務めた後、2014年から現在まで約11年間、日本の住宅にフォーカスした雑誌『新建築住宅特集』の編集長として活躍されています。「この先の社会の兆しとなる住宅の発掘と、議論の場としてのメディアのあり方の模索」を通じて建築界に大きな影響を与えてこられただけでなく、多くの若い建築家のキャリア形成にも寄り添ってこられました。

今回の講座では、西牧さんならではの視点から「住宅」の本質について考察していただきました。建築雑誌の歴史から始まり、住宅特集で取り上げてきた多様なテーマの紹介、そして印象に残った特集や取材先を通して見えてきた人と家との関係性について詳しくお話しいただきました。
(more…)2024年11月7日
第3回公開講座 岡根谷実里さん「食って何だろう」
7月27日、2024年度第3回会員公開講座が開催され、世界の台所探検家の岡根谷実里さんをお迎えしました。明晰な口調と、明るく溌剌とした雰囲気が印象的な岡根谷さんは、世界各地の家庭を訪れ、一緒に料理をしながら、その国の文化や歴史、社会背景を伝える活動をしておられます。現在までに30以上の国と地域を訪れ、170を超える台所で料理を共にされてきたとのこと。日本では小中学校での出張授業や講演活動の他、著書『世界の食卓から社会が見える』(大和書房、2023年)など文章執筆、テレビやラジオへの出演など、幅広い活動を展開されています。

本講座では、フィンランド・ペルー・インドの台所から垣間見える各国の文化と、世界を知る窓としての「食」の可能性について、お話しいただきました。
(more…)2024年10月31日
第2回公開講座 木谷宗一さん「建築現場って何だろう」
6月1日、長年にわたり建築施工の最前線に携わってこられた木谷宗一さんをお迎えして、第3回目の公開講座が開催されました。木谷さんは、1971年から2018年まで竹中工務店に在籍され、工事課長として、数々の建築施工の現場で指揮をとってこられました。また、作業所・技術研究所・技術部門でもご活躍され、これらの豊富な経験を活かし、建築現場におけるものづくりを解説する多くの著書も出版されています。今回の講座では、「建築現場」ってなんだろうというテーマのもと、現代の建築現場の実態や、建築に携わる人々の役割、そして建築技術の進化について、詳細にご解説いただきました。

2024年7月30日
会員公開講座 西畠清順さん「植物って何だろう」
4月27日、世界中の珍しい植物を集めて街や人を元気にする活動で知られるプラントハンター・西畠清順さんをお招きし、本年度第1回目の公開講座が開催されました。連休初日にもかかわらず、大人から子どもまで多くの参加者が集まり、皆さんの関心の高さが伺えました。西畠さんは、150年続く植物屋さんに生まれ育ち、現在は植物に関わるありとあらゆる可能性を事業化する会社を経営されています。今回の講座では、「植物って何だろう」というテーマで、植物の歴史や特性、そして人間との関わりについて、参加者との対話を交えながら語っていただきました。

2024年5月23日
会員公開講座 伊東豊雄「建築って何だろうⅢ」
2月3日、本年度の「~って何だろう」公開講座の締めくくりとして、塾長・伊東豊雄が「建築って何だろう」をテーマに講演を行いました。公開講座で伊東が本テーマを取り上げるのは、今回で3回目。一昨年と昨年に開催された過去2回の講演では、近代主義思想の日本への到来以来、本来日本建築の魅力であったはずの自然との繋がりが希薄になった点、技術で自然を克服しようとする開発ばかりが進められてきた点に対して、問題提起がなされました。一方、今回の講座では、「これまでとは趣向を変え、自分がどういう建築をつくってきたのか、建築設計の原点を話す」とのこと。2023年に芝浦工業大学で開催された展覧会「伊東豊雄の挑戦 1971-1986」展にもインスピレーションを得つつ、建築家としての活動初期の建築観、伊東の設計手法、伊東が目指す建築像について、お話をしました。

2024年4月25日
会員公開講座 土屋恵一郎さん「能って何だろう」
12月9日、明治大学名誉教授の土屋恵一郎さんをお招きして、本年度5回目の公開講座が開催されました。土屋さんは、ご専門の法哲学を研究されてきた傍ら、25歳から能を学んでこられ、芸術選奨専攻委員・芸術祭審査委員などを歴任する能研究家としての一面もお持ちです。1979年に能楽の会「橋の会」を立ち上げ、20年以上にわたり能プロデューサーとしても活躍してこられたほか、NHKのシリーズ番組「100分de名著」で取り上げられた、世阿弥「風姿花伝」の回で講師を務められるなど、能の世界観や世阿弥の教えを広く一般に伝える活動にも尽力されてきました。

2024年1月17日
会員公開講座 北山恒さん「都市って何だろう」
9月2日、長年、都市と建築について思索を重ねてこられた建築家・北山恒さんをお招きして、第4回目の公開講座が開催されました。北山さんは、横浜国立大学や法政大学などで教授を務めてこられたほか、行政アドバイザーとしてもご尽力なさっています。

今回の講座で考えるテーマは、「都市」って何だろう。全体像を捉えることが難しい本テーマに対して、北山さんには、4つの小話題の組み合わせというかたちでご回答いただきました。
(more…)2023年11月24日
会員公開講座 ムン・キョンウォンさん、チョン・ジュンホさん「アートって何だろう」
7月8日、韓国を代表するアーティスト、ムン・キョンウォンさんとチョン・ジュンホさんをお招きして、今年度第3回目の公開講座が開催されました。2009年から共同制作を開始されたお二人は、作品を通して、アートが社会的に果たしうる役割を模索してこられました。中でも、お二人の代表プロジェクト「News from Nowhere」は、多様な専門家との共同作業プラットフォームとして構想されており、現代アートの可能性を広げる試みとなっています。

今回の講座では、「News from Nowhere」の立ち上げ経緯やプロジェクト内の作品事例、世界各国で開かれた個展での様子とそこでの発表作品について、詳しくお話を伺いました。
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