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2017年12月16日、NPO Homedoorの理事長を務める川口加奈さんを講師に迎え、第6回会員公開講座が行われました。「ホームレス状態を生み出さない日本を目指して」と題して、野宿生活者(ホームレスの人)をはじめとする生活困窮者を対象とした就労支援の取り組みについてお話しいただきました。

ホームレス問題との出会い
川口さんは、14歳でホームレス問題に出会いました。中学の電車通学で新今宮駅を利用し始め、釜ヶ崎(あいりん地区)に立ち並ぶホームレスの人のテントを目にするようになりました。周囲の人たちから新今宮駅は「危ないらしい」「降りたらあかんよ」と言われ、ここには大人の隠している何かがあると思い調べ始めました。釜ヶ崎は通称あいりん地区と呼ばれ、行政が日雇い労働者を集める寄せ場としてつくられました。また、毎日のように炊き出しが行われていることを知った川口さんは興味本位でこれに参加しました。寒い冬の中、おにぎり一つのために500人以上の「おっちゃん」が列をつくっていました。当時、川口さんはホームレスのおっちゃんたちに対してあまり良い印象を持たず、「もっと勉強していればよかったのでは?」と思っていたそうです。それをおっちゃんたちに聞くと、彼らは勉強できるという環境がそもそもなく、勉強を頑張るか頑張らないかすら選べなかったことを知ったそうです。

貧困の連鎖
川口さんは貧困が連鎖することを指摘されます。貧困な家庭に生まれると、またその4分の1が貧困状態に陥るそうです。さらに、若いホームレスの人に顕著なのは、児童養護施設の出身者が10人に1人、母子家庭・父子家庭の出身者が3人に1人と、家庭環境が要因であることが多いようです。また、家庭環境が悪くなくてもホームレス状態になっている人がいることも指摘されます。

関関同立大学(関西の難関私立大である関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の4大学)の出身やよく耳にする大企業に勤めていてもホームレス状態になる人がいるそうで、鬱病や親の介護をしなければならなくなった、リストラになった、会社が倒産したなど、様々なきっかけで誰しもがホームレス状態になりうるそうです。大阪市内で年間213人(2000年)もの人が路上で凍死や餓死をしていることから、厳しい生活の現実、誰もやりたくてホームレスをしているわけではないとおっしゃりました。

ホームレスを生み出す日本の構造を変えたい
当時、中学生だった川口さんは、ホームレス問題を知ったからには知ったなりの責任があると考え、校内新聞を作成し生徒に配ったり、炊き出しに友人を誘ったり、釜ヶ崎のフィールドワークをしたりと様々なボランティア活動を行い、多くの人にこの問題を伝えようとしました。その結果、高校2年のときに川口さんが日本のボランティアの親善大使に選ばれ、ワシントンD.C.で各国の親善大使と国際会議に参加しました。そこで、海外と日本のボランティアのレベルの違いに驚かされたそうです。アイルランドの親善大使から「あなたは社会に良さそうなことをしたいだけなの?それとも社会を変えたいの?」と厳しいことを言われました。川口さんと仲良くなった、人生をやり直したいと思うホームレスのおっちゃんが路上で亡くなってしまったこともあり、「今の日本をホームレスの人が路上からやり直したいと思ったらやり直せる社会にしたい!」と決意を新たにしたそうです。

そして、川口さんは一枚の絵を描きました。とりあえずここへ駆け込んだら何とかなる、路上で亡くなる人を減らせるような施設です。いつでも休める部屋、ちゃんと栄養のある食事が取れる食堂、その日からどんな人でも働ける仕事がある、そんな施設をつくりたい!と考え始め、ホームレスの研究を学べる大学、大阪市立大学へと進学していきます。

Homedoorの設立
川口さんは大学2年生、19歳の若さで今のHomedoorを立ち上げ、おっちゃんたちのニーズを代弁しようと活動を始めます。おっちゃんたちと仲良くなるために、喫茶店の空いてない時間にココモーニングプロジェクトを開始しました。川口さんはおっちゃんたちと仲良くなり、負のトライアングルの存在を知ったそうです。

負のトライアングルとは、「仕事・住まい・貯蓄」の3つが同時に揃わないと貧困から脱出できないというものです。実はホームレスの人の生活は自炊ができないため食費などにお金がかかり、なかなか貯蓄ができません。貯蓄のために仕事をしたいが、その仕事をするのにも移動費や荷物を預けるロッカー代が要ります。さらに、仕事をするのに履歴書に書く住所が必要であったり、家を借りるのにも住民票のある住所や保証人が必要だったりします。このように川口さんは、ホームレス状態から自力で抜け出すことの難しさ、厳しさを指摘しました。

そこで川口さんは「Homedoor 自立ステップ」を提案しました。まず、Homedoorで働き貯蓄をしてもらい、お金が貯まったら家を借りてもらい、家を借りたら次の仕事を見つけるという自立ステップです。「本格的に仕事をするための仕事をつくろう!」と川口さんは動き出します。

HUBchariの開始
どんな仕事がホームレスのおっちゃんたちに向いているのかリサーチをすると、空き缶集めをしていて自転車をよく使っていたために、7割近くのホームレスが自転車修理を得意とすることが分かりました。これをビジネスにしたのが「HUBchari」です。町中にいくつか拠点があり、その拠点であればどこでも借りて返すことができるシェアサイクル事業で、大阪の自転車問題の解決、街の活性化、CO2の削減の効果がありました。しかし、最初は信用がないため、なかなか拠点は見つかりませんでした。そんなや、1週間でいいからと頼み実験をさせてもらったところ、それが話題になりメディアに取り上げてもらいました。その後、カラー写真の掲載された新聞記事を持って営業を再開し、ようやく一つの拠点を貸してもらえることになり、本格的に事業を開始しました。

しかし、始めてはみたものの、なかなかお客さんが来ない日々が続いていたある日、おっちゃんが拾い物でHUBchariの看板をつくってきました。川口さんはそのことを、雇う・雇われるという関係を越えた、HUBchariを盛り上げるパートナーだと感じ、嬉しくなったとおっしゃりました。そして、やり直そうと本気で思っているおっちゃんたちのポテンシャルの高さに気づかされたそうです。現在HUBchariは、大阪市内の15箇所に拠点が広がっています。

その後、さらに職種の拡大をし、企業と連携して清掃業や駐輪監理、行政と連携して自転車対策などをしているそうです。常時30名ほど雇用して、これまで延べ180名を雇用してきました。さらには、就労面だけでなく生活面のために、梅田からほど近いところに「ホット&ハウス」をつくりました。おっちゃんたちが常時訪れられる場所や食事処、洗濯場、様々な支援講座を受けられる場所です。医療面のサポートのため病院と連携したり、身なりのサポートのため美容協会と連携したりと、様々な日常・就労支援をしています。

Homedoorのこれから
現在はホムパトという夜回り活動を通じて、活動の輪を広げています。大阪市北区を中心に、ホームレスの人にお弁当や日用品を届けたり、中学時代の夜回りと違い、求人票も渡すことができ、仕事につながる夜回りになっているようです。また、ホームレス状態になる前の段階の人を事前に防ぐため、ネットカフェ会社と協力し店内にポスターを貼ったり、バナー広告を出したり、GoogleやYahoo!の協力のもと「お金ない」「生活困った」などを検索したら、アイフルやプロミスの前にホームドアの広告が出てくるそうです。さらに、2017年1月23日から認定NPOにもなりました。現在、家を追い出されると貯金の尽きるまでネットカフェやマクドナルドにいる人が多いらしく、その住まいのセーフティーネットを整えたいと考えています。現在3部屋ある住居の提供を強化し、ゆくゆくは20部屋くらい提供することを目標にしているとおっしゃりました。

「12年間、ただ淡々と試行錯誤を繰り返していったその先が今です。知ったからには知ったなりの責任がある。一度失敗した人に厳しい世の中ではなく、トライアンドエラーを繰り返してもホームレス状態にならない、失敗を許容される世の中にホームレス事業はつながっているのではないだろうか。誰もが何度でもやり直せる社会はどうやったらつくり出せるのだろうか考えていきたい」という言葉で今回の講座を締めくくられました。

私自身も、今までホームレスの人に対して、見て見ぬフリをしてきました。知ったからには知ったなりの責任がある。私にも何か出来ることがあるかもしれない。そう考えさせられる夜でした。

春山 祐樹

こんにちは。東京でも厳しい寒さが続く中、多くの子どもたちが元気にスタジオに集まってきました。昨年12月9日に子ども建築塾後期第4回目の授業が行われました。今回は早くも後期の中間発表でした。

子どもたちがスタディ模型をつくり始めてから、初めて他のグループの敷地模型を繋げてみたのですが、とても急な坂道であることを改めて実感しました。敷地模型は子どもたちの作品のおかげで、とてもにぎやかになっていました。

まずは、Bグループの発表です。テーマは「音楽を聴く」です。Bグループの子どもたちは偶然にも全員楽器の演奏経験者です。道の曲がり角に面する小さな広場があることが敷地の特徴です。子どもたちは音楽ステージや音が鳴る建築などを提案してくれました。スケッチがとても上手い子どももいました。先生方は「作品が道に対してどのような影響を及ぼせるかを大事にしてほしい」とおっしゃっていました。

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こんにちは。昨年11月18日に行われた子ども建築塾後期第3回の授業の様子をお伝えします。

すっかり木々も紅葉して、秋めいたのも束の間、少し肌寒い季節になりました。当日はあいにくの雨模様。なんだか、子ども建築塾の授業の日は雨の確率が多いような気がします。今回の授業は、「みんなのアイデアを模型で表現してみよう!」。前回までは、敷地調査に行ったり、敷地調査から分かったことをグループで話しあったりしてきましたが、今回からは実際に手を動かして模型をつくることを始めます。

授業のはじめに、宿題で描いてきたスケッチを用いてグループのみんなにアイデアを発表しました。文章で書いてくる子もいれば、平面図や立面図など、図面を描いてくる子も。建築のインテリアにたくさんアイデアを考えてくる子もいれば、まち全体にわたる大きなアイデアを考えてくる子もいました。

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みなさん、こんにちは。1021日に行った子ども建築塾のレポートをお届けします。後期第1回の授業当日はあいにくの雨でした。しかし子どもたちは久しぶりの授業ということもあってか、早くからスタジオに集まり、TAたちと色々な話をしていました。後期のテーマは「まち」、全10回の授業でまちの建築をつくっていきます。

グループに分かれて席に着き、はじめにスタッフの古川さんから課題の説明がありました。今回の敷地は恵比寿スタジオから徒歩1分と、今までで一番近い敷地です。ここにみんなでまちをつくっていくのですが、敷地は5つのエリアに分けられており、それぞれテーマが与えられています。テーマはAグループから「知らせる」、B「音楽を聴く」、C「つくる」、D「本を読む」、E「休む、くつろぐ」。例えば、Aグループの「知らせる」であれば、この場所がどんなところで、先に行くとどんなことができるのかを伝えるエリアになるのです。5つの敷地が坂道沿いに並ぶ場所で、互いが何をしているのか、どんな関係が生まれるのか、そんな“みんなのまち”を考えることがとても大切です。

説明の後は太田先生のレクチャーの時間です。テーマは「まちあるきの極意」。最初は先生が以前つくられた「PopulouSCAPE」という映像作品を見せていただきした。

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皆様こんにちは。「地場の素材で家具をつくる」ワークショップもいよいよ最終日を迎えました。この日はあいにくの曇り空から1日が始まりました。4日間の作業を終えた子どもたちには多少疲れの色も見えますが、「ここに住みたい」「もっと泊まりたい」という声もちらほら。子どもたちからみても、メムメドウズはとても魅力的だったようです。朝食を食べ、荷造りをした後、家具を設置しに向かいます。

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皆様こんにちは。今年の子ども建築クラブでは、「地場の素材で家具をつくる」というワークショップを北海道広尾郡大樹町で行いました。このブログでは4日目の様子をレポートします。

今日は朝からメムメドウズのサークル内の果樹園でブルーベリーとハスカップ狩りをしました。みんなでボウル3つがいっぱいになるまで収穫しました。ブルーベリーを摘みながら、みんなでつまみ食い!眠そうだった子どもたちも眠気を吹き飛ばしました。

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皆様こんにちは。今年の子ども建築クラブでは、「地場の素材で家具をつくる」というワークショップを北海道広尾郡大樹町で行いました。このブログでは3日目の様子をレポートします。

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皆様こんにちは。今年の子ども建築クラブでは、「地場の素材で家具をつくる」というワークショップを北海道広尾郡大樹町で行いました。このブログでは2日目の様子をレポートします。

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皆様こんにちは。昨年度に引き続き、今年も子ども建築塾の卒業生を対象にした、子ども建築クラブを開催しました!8月1日からの5日間で「地場の素材で家具をつくる」というワークショップを北海道広尾郡大樹町で行いました。また、今年度は新たな試みとして最終日の8月5日に伊東豊雄さんと藤江和子さんのトークイベントを開催しました。このブログでは1日目の様子をレポートします。

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めがね椅子リフォームワークショップの2日目は、テキスタイルデザイナーの安東陽子さんを講師にお招きし、ショートレクチャーとめがね椅子用のクッションを制作しました。

はじめに、安東さんがテキスタイルデザインを通して、これまでに携わってきた作品を紹介していただきました。

レクチャー後、テーブルを囲みながら、クッションの制作手順を伝え、早速クッションのデザインに取りかかりました。

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